でんでんむし(カタツムリ)が,滅亡の未来から地球を救うべく,時空を超えて冒険するそんな尖った設定と物語を持つ新作スマートフォン用アプリ「最強でんでん」(iOS / Android)が,QCPlayより2022年6月8日に配信された。
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「最強でんでん」は,か弱きでんでんむしが“最強でんでんむし”へと進化を遂げ,地球の未来のために強敵たちを打ち倒していく“グロかわアドベンチャー”だ。SNSやYouTube,交通施設,電車の中吊り,屋外ビジョンなどの広告で,その独特なテイストのイラストを見たことがあるという人も少なくないだろう。小島よしおさん,コウメ太夫さんといった15組のお笑い芸人や,「ポプテピピック」の作者である大川ぶくぶ氏とのコラボ企画でも話題を振りまいている。
そんな本作を,リリース前にテストプレイする機会を得たので,「でんでんむしが地球の未来のため,時空を超えて戦う? 気にはなるけど,どんな作品か想像できないっ」というアナタに,「最強でんでん」とはどのようなゲームなのかを紹介しよう。
最強でんでん―それは、か弱きでんでんむしが、世界を救うべく“最強”を目指す物語
地球歴2122年,地球は“魔神”の未知なるエネルギーの攻撃を受け,都市は焼け野原と化した。生物絶滅率99%という絶望的な状況のなか,突如として地球の意思「ガイア」が現れ,わずかに生き残ったとある生物を100年前の地球に送り込む。
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その生物とは……1匹のでんでんむし! しかし所詮は(?)ただのでんでんむし。自分が何をすればいいのかなど分からない。そんな彼に,タイムスリッパー本部のコミュニケーターである春姫が語りかける。「組織はあなたを魔神の調査に派遣することを決めた」と。
でんでんむしが過去の地球に送られた理由。それは,地球に大惨劇を引き起こす「魔神八柱衆」を,強くなる前に討伐することだった。説明もそこそこに,最初の目的地である高麗へと送られ,魔神の使徒たちと戦うことになるも……やはり,所詮はただのでんでんむし(2回目)。このままの姿では,まったく太刀打ちできない。自分自身も力を付けなくては!
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……と言ったように,主人公がでんでんむしというところで一見ネタっぽくはあるのだが,よく見てみるとそのSF仕立てのファンタジー設定や世界観はしっかり練られている印象があり,物語の展開も熱いものがある。
また,メインシナリオ以外のあちこちにも裏設定が散りばめられており,それらをパズルのピースとして集めることで,物語の背景にあるものを自分なりに想像できるのも面白い。ちょっとしたアイテムから驚きの真実が見つかることもあり,謎解きや考察好きには刺さるものがあるはずだ。
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世界観や設定は見た目の雰囲気とは裏腹にけっこう真面目(?)だが,シナリオは第一印象そのままのユーモア成分多め……というか,それらのネタ要素やジョークはけっこう攻めているものが多い。「課金をして自分を鍛え,やつらを倒すのだ」なんてメタ表現が(もちろんジョークですよ!)飛び出すくらい振り切っているので,ちょっとした悪ノリや,端々から感じられるブラックジョークを見逃さずに楽しんでほしい。
全体的な印象は,SFファンタジーという大風呂敷の中に,くだらなさやバカバカしさ,パロディネタがぎっしり詰められた作品といったところ。なかには人にはオススメしにくい,「これはやりすぎでは?」というジョークもあるが,「このくだらなさを誰かと共有したい!」という気持ちが湧いてくるような,なんとも言えない不思議な魅力にあふれている。
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グラフィックスに目を向けると,手書き風の独創的なイラストの数々に目を奪われる。総じて細かく描き込まれており,ストーリーの山場になるような場面ではイラストのタッチそのままのアニメーションが挿入され,それらの表現や演出が見どころとなっている。
グロかわアドベンチャーと謳われているとおり,目玉が飛び出したり,身体が切り刻まれたりといったグロテスク描写もあるため,そういった表現が苦手な人は注意が必要かもしれない。と言っても,コミカルなイラストやギャグアニメ風な表現,そしてゲーム全体に漂うゆるめな雰囲気もあって,そこまでシリアスなものではないということは伝えておこう。
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放置で探索、遺伝子進化で見た目も力も“最強”に。遊び始めたその日から、最強でんでんへの旅は始まる
ここからは肝心要のゲームシステムを説明しよう。本作を一言で説明するなら,“放置ゲー”と表現するのが分かりやすい。ゲームを立ち上げたら,放置している間に溜まったリソースを使って強化/育成。ゲーム内のステージを探索,ボスと戦ってアイテムを入手したらまた放置……という流れで,でんでんむしは強くなっていく。オフラインでもリソースが溜まっていくため,忙しいときは長めに放置し,時間があるときに一気に物語を進めるといったように,自分のペースで遊べるところは嬉しいポイントだ。
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放置ゲーにもいろいろなタイプがあるが,本作は“でんでんむしの大冒険”というテーマとリンクした,ストーリー性の高いゲーム進行が特徴だ。中国からスタートし,大和,亜米利加といった世界各地を旅して,各地にいる魔神の柱を撃破していく。
中国なら武将,大和なら忍術,亜米利加ならヒーローといった具合に,地域によって異なる要素や特別なコンテンツも用意されており,ランダムで発生するイベントもたくさんある。プレイヤーを飽きさせない工夫が盛りだくさんで,それは放置ゲーなのに放置できず,ついつい様子を見にログインしたくなるほどの充実ぶりだ。
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具体的なゲーム進行は,各国の「探索」が基本となる。探索を選ぶと自動でその国を調査することになり,マス目状のマップを歩いて,止まったマスに隠されているアイテム,リソースを獲得していく。でんでんむしなので歩みが遅く,探索にはなかなかの時間がかかり,また探索に必要な「食料」を集めるためにも放置は必要不可欠となる。いわゆる時短アイテムも用意されているが,“でんでんむしの歩みに合わせてのんびり進めていく”といいだろう。
ある程度探索を進めると,使徒や魔神といった敵とのバトルが待っている。バトルはいたってシンプルで,基本的に攻撃力や防御力といったステータスで勝敗が決まり,負けてもデメリットはない。とりあえず挑んでみて,負けたらまた放置して育成するといった繰り返しで,物語を進めていけるだろう。
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魔神と戦う力を付けるうえで欠かせないのが「遺伝子進化」。放置で探索を進めて進化に必要なアイテムを集め,それを“でんでんむしの細胞に埋め込んで”ステータスをアップさせよう。
それらのアイテムを植え付けていくことで,強くなるだけではなく,見た目もどんどん変化する。複眼やゾンビ風といったグロテスクなビジュアルもあるので,人によっては苦手な姿もあると思うが,トゲや装甲,天使の輪や悪魔の角などを備えた,“でんでんむしの形をした異形の何か”に進化していくところは本作の醍醐味だと言っていいだろう。固有の特殊能力が備わった形態もあるので,自分なりに研究を進めてみるのもアリだ。
直接的なでんでんむしの強化以外にも,貴重品の収集やイベントでも能力がアップする。プレイした分だけ着実に強くなっていくので,自分のペースでゲームを進められるはず。ブキミだけど奇妙な愛着がわいてくる“最強でんでん”を育て上げよう。
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幅広い層が楽しめるような親しみやすいビジュアルに,でんでんむしを主人公としたクセの強い世界観と物語で勝負する「最強でんでん」。一見“出オチ”なゲームと思われそうだが,しっかりと作りこまれた世界観や“くだらなくて笑える”ネタの数々など,ほかのゲームでは味わえない要素が盛りだくさんの作品だ。
でんでんむしとなって“最強進化”を目指し,強敵たちと戦う―そんな特殊な体験がしたいと思った人は,本作を是非試してみましょう!
